どこかの誰かのブログ

同性愛者ということに気付いてしまったというだけの、一般人のブログです。

境界性パーソナリティ障害のパートナーと別れた話

※身バレ防止のため内容の一部を変更して書いています

※A君とは和解しています A君を批判する意図はありません

 

ボーダーという病気をご存じだろうか。

正確には境界性パーソナリティ障害という病名で、精神疾患の一つである。

詳しくは各種関連書籍やウィキペディアなどを参考にしてもらいたいのだが、感情のブレーキが利かずに対人関係が難しくなったり、社会生活を送るのが難しい病気だ。

(長いので、以下ボーダーと表記)

 

そんなボーダーの子と付き合っていたことがある。

仲が良かった同性の友達に同性愛者であることをカミングアウトしたら、その子が僕に告白してきたのがきっかけだ。

 

 

元々うつ病を患っていると聞いていたけれど、その時僕は彼ととても仲が良かったし、僕といると心が安定するようなので、特に問題はなくそのまま交際をスタートした。

最初のころは、特に問題がなくうまくやっていた。

 

 

付き合っているうちに、「ボーダーかもしれないと医者に言われた」と相談を受けた。

その病気を知らなかった僕は、いろいろネットなどで検索してその病気の特徴を見てみた。すると、彼の精神状態によく当てはまっている。

うつ病の薬が効かない」とよく言っていたので、病気がはっきりして薬もちゃんと合うものが見つかるかもね、と喜んでいた。

 

自殺癖があった彼に対して、時々困ることもあった僕は、ボーダーについていろいろと勉強した。

インターネットでボーダーについて検索していると、「ボーダーとは別れるのが一番身のため」「ボーダーとは絶対に付き合うな」などと批判的に書かれている記事が多く出てきて、悲しくなったのを覚えている。

 

実際、彼もその記事を読んでいて、とても悲しそうにしていた。

 

その日から、僕に「別れよう」と何回も言うようになった。(いつも翌日には撤回するが)また、精神がどんどん不安定になっていった。

 

基本的には、病気の本人が一番つらくて周りにも理解がされにくい病気なので、僕はそんな風に突き放すようなことはしたくないなと思った。

僕だけはそばにいてあげようと思った。

 

彼に関して色々と辛いことはあった。

何度も目の前で自殺しかけられたし、何十回と別れようと言われたり、薬をODしたり、精神が安定しなくなることが増えていった。

記憶を無くすこともあった。

 

彼が「そばに居てくれないと死んでしまう」「僕のために仕事を辞めてくれ」と言われ続け、ついには仕事を辞めてしまったし、「○○君が帰ったら死ぬ」と引き止められ、飛行機を当日にキャンセルされたこともある。

 

それでも僕は、「どれも病気の症状だから」と彼をなぐさめ、はげましていた。

彼にもそれを伝え、自分の行動が病気の症状だということを自覚し、今後どうしていくのがいいか一緒に考えて、前向きに進んでいこうとしていたのである。

僕がそうだったからか、彼も頑張って自分の病気に向き合っていた。でも、「病気を言い訳にしたくない」という理由で、症状を改善しようとする意欲はあまりなかった。

 

ボーダーの人は、不安から人間関係を白黒はっきりしようとしたり、人の好意を信じられなかったり、人を試そうとすることが多い。

実際僕は色々と試されたし、傷つくような言葉をたくさん言われた。自分が100%正しいと思っているので、色々と否定的な言葉もかなり言われた。

しんどかった。

 

でも彼は僕のことを好きだと言ってくれたし、それを信じたかった。僕も彼のことを好きでいたかった。

 

そんなある日だった。

 

僕たちは遠距離恋愛をしていて、かなり遠いところに住んでいた。

例えば僕が大阪に住んでるとしたら、彼は青森に住んでいるような距離感。

 

僕はその日、飛行機であるバンドのライブを見に行っていて、上の例でいうと東京くらいの場所にいた。

ライブが終わって飛行機を待っていると、突然彼からラインが。

 

「今までありがとう。さようなら」

 

今までにない感じのメッセージで、本気で死のうとしてるのかなと本能的に思った。

急いで電話をしてみたけど、ずっと泣いて「もう死ぬ」「切るね」と繰り返すだけ。

 

ヤバいと感じた僕は、彼の近所に住んでいて、彼と仲のいいA君に「もし良かったら家に行ってあげてくれないか」とメッセージを送った。

 

そうすると、「ちょうど家の近くにいるから」と快くOKしてくれた。

僕は不安だったが、状況も分からずいきなり飛行機を手配して行くこともできなかったので、A君が来るまで彼をなだめる電話をしていた。

 

A君が彼の家に着くと、Aと彼の二人が電話に出てくれて、「今から2人で宅飲みする」と元気が出てそうだったので、とりあえず安心してA君に任せることにした。

寂しくなると自傷行為をしてしまうことが多かったので、そのパターンだったんだな、とAと話した。

 

僕はフライトの時間が迫っていて、それ以上電話を続けることが出来なかったので、「フライト終わって家に着いたら電話する」「もしずっと電話繋がらなかったら警察か救急車呼ぶからな」と告げた。

 

 

フライトから家に着くまでの3時間くらい、不安で仕方なかったが、降りてから二人に電話をかけるとすごく楽しそうな様子で電話に出てくれて、Aがいてくれて良かったなと思った。

 

 

その日から「俺が浮気したら悲しい?」「俺お金貰ったら知らないおじさんとかとも寝ちゃうしな」と頻繁に言うようになった。

「悲しいから冗談でもやめて」と言って返したが、その後電話するたびに聞かれたと思う。

 

6回目くらいの時、流石に嫌だったので「でも実際浮気してないんだろ?だったらいいよ」と言ったら言葉を濁してなんだかモニョモニョ言っている。

問い詰めると、なんとそのAが駆けつけてくれた日にAと寝てしまったという。

 

訳が分からなかった。

 

まずAが同性と寝れることを知らなかったし驚きだし、僕が死ぬ気で心配していた数時間の間に二人がそういう事になってたのも辛過ぎるし、2人の浮気後何度かAと遊んだし、僕が気付かなかったらこのまま二人に騙されてたのか?と考えると本当に辛かった。し、意味が分からなかった。

 

僕が何か悪いことしたか?と思った。

 

話を聞くとけしかけたのはやっぱり彼だったし、Aは凄く後悔していた。

僕に凄く謝ってくれた。普通だったらブチギレてるところだろうけど、僕の彼がけしかけたというのもあるし、それを断っていたら彼が何をしていたか分からないし、本気で後悔していて今にも死にそうだったので、僕は彼をそれ以上責めることはしなかった。

 

なにより僕はAのことが友達として大好きだった。こんなことで縁を切りたくなかった。

 

一方の彼は、あまり反省していなかった。

何度か怒って、話を聞いてもらいたかったのだが「その話もうすんな!」と怒られてしまった。

 

でも「浮気を自ら告白してくれたのは、罪悪感に耐えられなかったからだろうな」と思っていたので、「でも自分から浮気を告白してくれたのは、罪悪感があるからなんだよね」と聞いてみると、「気を引きたかったから、それだけ」と言われてしまった。

 

気を引きたかったから。

 

「僕が東京まで来ていたから、いつもより青森に近い距離にいたからそのまま青森まで駆けつけてくれるんじゃないか」と思ったんだそうだ。

 

もうダメだ、と思った。

 

そんな理由で、僕たちの共通の友達に辛い思いをさせて、いろんな人に迷惑をかけて、浮気して、僕のことを振り回したのか。

しかも翌日は仕事があったし、彼のために有給を使い切っていたので行けないことは分かったいたはずだ。

でも彼は僕を試したかったんだ。本当に来てくれないのか。

そりゃあ行けるなら行きたいよ。でももう有給もお金も君の試験に使ってしまってもうないんだよ。

 

君の事助けてあげたかったよ。

 

こんなむちゃくちゃな行動も病気のせいだって分かってるよ。

 

なんにも病気の知識がない僕が、君の事助けてあげたいって思ったのが僕のエゴだった。

 

別れよう、と連絡が来たので、いつもだったら「どうしたの?何かつらいことあった?」と聞くところを「うん」と答えた。

 

ごめんね。

悲しいよね、そんな顔させたくないって思って君の病気と付き合う覚悟決めてたはずなのに。

僕はなんて中途半端で最低な人間なんだろうね。

どうする接してあげるのが正解だったのか、何が間違ってたのか、僕はどうすればよかったのか本当にわからない。

 

僕はどうすればよかったのかな。

本当に僕は最低な人間だ・・・・・・・。

 

 

 

 

めでたい話

前回の記事で出来た同性愛者の友達に、なんと恋人が出来たらしい!

 

すごくおめでたい🎉

 

けれど、僕と一緒に住む約束は無くなってしまった(笑)

彼が幸せになれるよう応援していきたいです。

 

 

恋ってどうしてこうもワクワクしてしまうんだろう。

このままこの時がずっと続いていてほしいな。

同性愛者の友達ができた

自分がセクシャルマイノリティなのかどうか分からないまま生きてきたけど、多分自分は同性愛者だ。

 

最初は世間体や親からの期待などから、半ばそれが自分で認められなかったが、最近やっと受け入れられた。

受け入れたことによって、本当に生きるのが楽になった。周りからの恋人を作れという圧や、無理に作った恋人とのデートのつらさから逃れられるようになった。

 

あまり都会といえる場所には住んでいないけど、電車で頑張れば同じような人々が集まるバーにも行ける。イベントもやっているらしい。

 

1度行ってみたけど、少し気が楽になった。世の中にはいろいろな場所があるんだなあと思った。

 

この間、ある友人から相談を受けた。

彼は数少ないカミングアウトをしている私の友人で、結構長い間友達でいてくれている最高に面白いやつだ。

そんな彼が泣いている。いや、相談中は泣いていなかったのだが、ここ最近ずっと泣いていたらしい。

どうしたのかと聞くと、自分が同性愛者だと気づいた、とカミングアウトしてくれたのだ。

前から2人でそうかもね、と話していたこともあるのだが、どうやら本当にそうだったらしい。告白をする前に失恋して泣いている。自分の気持ちに向き合っただけで泣いてしまっている。

自分がこれからどうしていいか分からない、と泣いている。

もう気持ちが分かりすぎて彼の10倍くらい泣いてしまった(笑)

全く持って笑い事ではないのだが、彼が私に秘密を打ち明けてくれたこと、また一人で心細かったことを共有できるということに、少し安堵した。

 

それから彼は、いろいろと今までのつらかった話をしてくれた。驚くくらい私と同じルートを辿ってて、20代半ばの同性愛者あるあるなんだろうか、と笑ってくれた。

 

2人が30歳までに恋人が出来なかったら一緒に住もうか、そんな約束をして笑った。

 

未だに職場にも、家族にもカミングアウトは出来ていない。

 

でも、彼とのそんなささやかな約束で、私は明日から少し強く生きられる気がしたんだ。

 

彼が幸せになれるといいな。

親友だと思っていた同性の人間に一方的に別れを告げて消えた。

親友だと思っていた同性の人間に一方的に別れを告げて消えた。
つい数年前のことである。

そいつと出会ったのは学生の時。同じ学校を卒業して卒業後も仲良くしていた。

「今度結婚するんだ。」

そう目の前で言われてから、自分が何を考えていたのかあまり覚えていない。

とにかく泣いたことは覚えていて、本人の前でもうっかり涙を零してしまった。
「おめでたくて」と答えた。嘘だった。
ただただ寂しくて悲しかった。胸が苦しいって本当にあるんだなって思ったのを覚えている。


付き合っている恋人がいることは知っていたし、たまに惚気も聞いていた。
恋人もいない自分はそれを聞くのが嫌で、しれっと話題をそらしたり「やめろよ」と茶化したりして、あまり深い話は聞かなかった。だけど、話しぶりからすごく幸せなことは知っていた。


頭の悪い自分は、結婚するという話を聞いたその後、涙が出た瞬間に気づいてしまった。


「ああこれって多分失恋ってやつだな」と。


出会った時からとにかくそいつと遊ぶのが楽しくて、どこに行くにも一緒で、惚気を聴くのが嫌で、家に泊まりに行くのにどうにも緊張して、一緒に行ったくだらない買い物やなんでもないスキンシップがとにかく嬉しくて。


好きで好きで堪らなかった。


「もう自分のそばにはいられない」
「自分ではない別の人間と幸せになって暮らすのだ」

結婚すると言われたとき、ずっと目を背けていた現実たちが一斉に目の前に現れた気がした。それは大きなハンマーとなり、自分の体をガツンと殴った。


「私はお前の幸せも願えない最低な人間なんだ。」


そう気付いてから、とにかく傍にいるのが申し訳なくなって、罪悪感に押しつぶされそうになった。それから、そいつの結婚式を想像して、何日も、何か月も毎日泣いた。かなりやつれた。


少し冷静になってきたころ、「結婚式で友達代表のスピーチをしてよ。」と声をかけられた。


友達代表だって思ってくれてるのか、そう思った瞬間嬉しさと悲しさでまた泣いた。

 

無理だよ。

 

正直に理由を話して、それから一方的に連絡を絶った。
友達代表と言ってくれた人間に対してわがままで最低な対応をしたと思った。
それから、自分を嫌いになってくれと思った。


それからあまりにも心が荒みすぎて、とりあえず誘われた合コンとかそういう出会い系のイベントに行ったりして気持ちを紛らわせようとした。あまり向いていなくて、毎回ドッと疲れた。


正直、自分はモテる方だと思う。
そういうイベントに行くとだいたい4、5人の異性からご飯に誘われるし、普通に恋人もいた。

ただ、いざそういう雰囲気になっても、恐ろしいほど何も感じない。
キスも嫌でしかなかったし、異性の裸体を見ても何も興奮せず、ほぼマグロのような状態になってしまうのである。結局、最後まではしたことがないまま今日まで生きてきた。


この一見以来、自分はセクシャルマイノリティの人間だったのだろうかと考えるようになった。
今までは世間に流され、自分は異性愛者だと思い込んでいたが、同性愛者なのかもしれないし、また違うものなのかもしれないと。


今のところ結婚も特にしたくないし、自分の遺伝子を持って生まれてくる子供は可哀そうで、子供も欲しいとも思わない。
結婚イコール幸せなんていうのはあまりにも前時代的な価値観で、自分自身が結婚できなくともそれが悔しいとも悲しいとも思わないし、それはそれで楽しい人生が送れそうだとも思っている。

 

じゃあ今なぜ自分が恋人探しみたいなことをやっているのかというと、心が荒んでいるのはもちろんだが、両親に孫の顔を見せてやりたいというのが一番の理由である。

両親は良くも悪くも前時代的な人間で、自分が同性愛者だと知った時には悲しむのだろうなと容易に想像できる。

自分のことを受け入れてもらえたら幸せなんだろうが、その時代に生きてきた人間の価値観を簡単に払拭することは容易ではないし、自分自身、個人の価値観を押し付けるつもりもない。

実際自分が異性と結婚して子供を作ったとしたら、すごく喜ぶんだろうな。一人っ子で何も両親に恩返しが出来ていない自分が出来る恩返しといえば「孫が欲しい」という両親の願いを叶えることくらいなのに、多分その願いは叶えてあげられない。


ただそのことが気がかりで、どこか自分を同性愛者だと認められない自分がいる。
一方でもう孫を抱かせてあげられないことは薄々感じている自分もいて、どうしようもない。
ごめんね。


世間体や親への申し訳なさ、周りの人間からのプレッシャーでしたくもない結婚を考えていた時期に、あいつから結婚の話を聞いて、結婚をやめようと思った。

あいつがいなかったら自分は異性愛者だと思い込んだまま、どこかの誰かと結婚して子供を作っていたんだろうか。

その未来は幸せだったんだろうか。

私はどうすれば正解なのだろうか。


結婚イコール幸せではない、という考えを持っているという話を上に書いた。
本当にそう思っているのだが、周りの人間がそれを「おかしい」と否定してくる。
おかしい、可哀そうと言われ続けると、人間なので本当に自分の考えは正しいのだろうかと気がおかしくなってくる。


仮に自分の意見が間違ってないのだとして、こんなに罵倒を浴びせられながら生きていくのだったら、嘘でもいいから結婚するべきなのか、とさえ考えてしまう。


結婚はイコール幸せではない。
でも自分の家にあいつが泊まった時、あいつがバイトから帰ってくるのを待ちながら夕飯を作っていたあの時は、ただいまと言って顔を覗かせたあいつの顔を見たときは、本当の本当に、幸せだったなあと思う。


幸せだったなあ。